1958年に中国で承認された現代漢語拼音方案とは?ウェード式拼音との違いや現状は?
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一言でいうと:
中国語のピンインが正式承認後、人名・地名の英語表記に使用。欧米ではウェード式が残る。大学名や老舗ブランドは旧方式を継続使用。
中国語のローマ字表記、その変遷を紐解きます。1958年、中国で「現代漢語拼音方案」が承認され、人名や地名の英語表記に変化が。しかし、西洋では異なる方式が使われ続けました。
外国人の著作では、今もなお伝統的な表記が用いられることが少なくありません。実はこの2つの方式、どちらもラテン文字を使用しているという共通点が。
現代では、中国本土での使用は限られていますが、北京大学や清華大学といった名門大学、そして老舗ブランドのロゴには、その名残が色濃く残っています。今回は、その背景にある歴史と理由を深掘りしていきます。
## 中国語のローマ字表記:現代漢語拼音方案とウェード式拼音の比較と現状
まえがきでは、中国語のローマ字表記の変遷について触れ、1958年に承認された「現代漢語拼音方案」と、それ以前から使われていたウェード式拼音という2つの方式が存在することを紹介しました。ここでは、それぞれの特徴や違い、そして現代における現状について詳しく解説していきます。
現代漢語拼音方案とは?
1958年、第一回全国人民代表大会第五回会議で正式に承認された「現代漢語拼音方案」は、中国語(普通話)の発音をラテンアルファベットを用いて表記するための体系です。それまで使われていた様々なローマ字表記法を統一し、中国語教育の標準化と国際交流の促進を目的として導入されました。
現代漢語拼音方案は、中国語の発音を正確かつ効率的に表記できるため、中国国内だけでなく、海外の中国語学習者にとっても非常に重要なツールとなっています。
ウェード式拼音(ウェード・ジャイルズ式)とは?
ウェード式拼音は、19世紀後半にイギリスの外交官トーマス・ウェードによって考案され、その後、ハーバート・ジャイルズによって改良されたローマ字表記法です。長らく西洋で中国語の発音を表記する際の標準的な方式として用いられてきました。
ウェード式拼音は、現代漢語拼音方案に比べて、発音の区別が曖昧であったり、特殊な記号を使用したりするなどの点で、現代の中国語学習者にとっては必ずしも直感的ではありません。
現代漢語拼音方案とウェード式拼音の違い
現代漢語拼音方案とウェード式拼音の主な違いは、発音の表記方法にあります。例えば、現代漢語拼音方案で「北京」は「Běijīng」と表記されますが、ウェード式拼音では「Pei-ching」となります。
また、現代漢語拼音方案では、声調を数字や記号で明示的に表記しますが、ウェード式拼音では声調の表記が省略されることもあります。これらの違いにより、同じ中国語の発音でも、異なるアルファベットで表記されることになります。
ウェード式拼音はなぜ残っているのか?
現代漢語拼音方案が中国で標準的な表記法となった現在でも、ウェード式拼音が完全に姿を消したわけではありません。その理由の一つとして、歴史的な経緯が挙げられます。
ウェード式拼音は、長年にわたって西洋で中国語の人名や地名を表記する際に使用されてきたため、多くの文献や資料、そして人々の記憶に深く根付いています。そのため、過去の文献を読んだり、古い情報を参照したりする際には、ウェード式拼音の知識が必要となる場合があります。
また、北京大学や清華大学といった歴史ある大学の英文名称や、煙台張裕葡萄酒、貴州茅台、ハルビンビールなどの老舗ブランドのロゴなど、商標の変更による不便を避けるために、ウェード式拼音がそのまま使用されているケースもあります。
現代におけるウェード式拼音の現状
現在、中国本土では、現代漢語拼音方案が教育や公的な場面で広く使用されています。しかし、ウェード式拼音は、歴史的な文脈や特定のブランド名など、限定的な範囲で使用され続けています。
中国語を学ぶ際には、現代漢語拼音方案を習得することが最も重要ですが、ウェード式拼音についても、過去の文献を読んだり、古い情報を参照したりする際に必要となる知識として、ある程度の理解があると役立つでしょう。
中国語のローマ字表記の歴史を理解することは、中国語学習をより深く、より豊かなものにしてくれるはずです。
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